"ドラッカーは「もっともよく見られる人事の失敗は、新たに任命された者が、新しい地位の要求に応えて自ら変化していくことができないことにことに起因している」と言う。
このことは、人事異動したらなら新たな任務は三つ領域(直接の成果、価値への取り組み、人材の育成)の貢献のうち、いづれの成果の重要度が高くなったのかを認識しなければならないことを意味する。
アメリカの国防長官としてロバート・マクナマラが大きな成果をあげたのは、「どのような貢献ができるか」を自問したためだったように思われる。しかし実のところ彼は、一九六〇年の秋、ケネディ大統領によってフォード社から引き抜かれ最も難しい閣僚の座につけられたとき、準備ができていなかったと、ドラッカーは述べている。
(次号へ続く)"