人事管理において、平均値を基準に評価を行うことの危険性を、ドラッカーは強く指摘しています。
例えば、従業員100人あたりの平均事故率、平均欠勤率、平均病欠率といった数字は、一見すると客観的な指標のように思えます。しかし、実際には、事故は特定の場所で多発し、欠勤も特定の部門に集中する傾向があります。つまり、平均値だけを見ても、問題の本質は見えてこないのです。
平均値に頼るのではなく、現場に足を運び、実態を把握することこそが重要です。そうすることで、初めて適切な評価基準が見えてきます。
統計データはあくまで参考情報であり、それだけに頼ると、判断を誤るリスクがあります。重要なのは、数字の背後にある事実を理解し、的確な判断を下すことです。
適切な基準を見つけることは、単なる統計上の問題ではありません。基準を誤れば、企業は大きなリスクを抱えることになります。だからこそ、私たちは常に現場に目を向け、本質を見抜く力を養う必要があるのです。
2025年03月19日
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