2025年05月15日

No.4742非営利組織の経営T#5リーダーであるということp54F1【リーダーたる者が次に行うべきことは、優先順位を考えることであるA】P.F.ドラッカーブログ投稿数世界一 4,742日目(2025年5月15日)Re:感謝‼

(前回続き)

現代ビジネスにおける「劣後順位」の応用例
・プロダクト開発: 新しい機能を追加する際に、「どの機能が欲しいか」ではなく、「どの機能がなくても最低限の価値(MVP: Minimum Viable Product)を提供できるか」「どの機能はユーザーにとって優先度が低いか」をまず特定し、開発リソースを最も重要な機能に集中させます。
・事業ポートフォリオの見直し: 多くの企業が「選択と集中」を進める際、「どの事業を伸ばすか」と同時に、「どの事業から撤退するか」「どの事業の優先度を下げるか」という「劣後順位」の決定を行っています。例えば、GEが金融事業や家電事業を売却したり、日本の電機メーカーがノンコア事業を整理したりする動きは、劣後順位付けの結果と言えます。これにより捻出された経営資源を、成長分野に再投資しています。
・会議や報告業務の効率化: 「どの議題が必要か」ではなく、「どの議題は今日の会議でなくても良いか」「どの報告はメールやチャットで十分か」を考えることで、会議時間を短縮し、本来議論すべき重要なテーマに集中できます。
・個人のタイムマネジメント: ToDoリストを作る前に、「今日やらなくてもいいこと」「断るべき依頼」「やめるべき習慣」を意識的に特定することで、本当に価値を生む活動のための時間を確保します。

結論:リーダーは「断つ」ことを決める
リーダーシップとは、単に「何をするか」を示すことだけではありません。むしろ、有限な資源を最大限に活かすために、「何をやらないか」「何を断つか」を明確に決断する勇気と実行力が求められます。

ドラッカーの提唱する「劣後順位」の考え方は、この困難な「捨てる」決断を下し、組織のフォーカスを研ぎ澄ませ、真の成果へと導くための、極めて有効な思考ツールなのです。リーダーは、捨てるべきものを特定し、それを断つ決断をすることで初めて、本当に重要なことに組織のエネルギーを集中させることができるのです。
posted by 剛 at 05:38| Comment(0) | ドラッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: